みなさんこんにちわ。
私は徒手療法を勉強するのが大好きなんですが、徒手療法でもそれぞれの検査法における、感度、特異度を勉強しないといけませんよね。
例えば半月板の検査で有名なMcMurrayは感度61%、特異度は84%(報告者によって異なる)となっています。
これは半月板損傷してる人全員がMcMurrayで見つかるわけではない!事を示してします。
あと、最近ではPCR検査の感度が…とか聞くこともありますよね。
というわけで感度と特異度の理解が必要なんですが、感度・特異度って一回理解してもすぐ忘れませんか!?(私は忘れます…)
そこで今回は2度と忘れないようインパクト強めなイラストで解説していきたいと思います。
ではよろしくお願いいたします。
目次
感度:sensitivityとは?
感度とは、検査した人たちの中に含まれる、病気の人を「陽性にいれる」能力を示します。
例えば病気を鬼と例えます。
図のように鬼が20人、正常が20人いたとします。
感度は病気=鬼を見つける能力です。
検査で鬼を20体全て見つけられれば、20/20見つけられたので、感度は100%です。
1体しか見つけられなければ1/20見つけたことになるので感度は5%
2体見つけられたら2/20なので10%とということになります。
特異度:Specificityとは
特異度とは、検査した人たちの中に含まれる、正常な人たちを「陰性」に入れる事が出来る能力のことです。
「特異度100%」であれば、正常な人達を全て陰性の方に振り分ける事ができます。
さきほどの図をもう一度見てみましょう。
特異度は正常な人を陰性の方に振り分ける能力の事を言います。
正常な人は20人います。
20人中、20人全員を陰性に振り分けることができれば、20/20陰性に入れられたので、特異度は100%ということになります。
20人中1人しか陰性に出来なければ1/20なので5%
2人陰性に出来れば2/20で10%ということになります。
偽陽性、偽陰性とは
感度と特異度が共に100%であれば一回の検査で陽性か陰性か完璧に分かります。
しかし、現在そんな検査は存在しません。
感度を高めようとすれば特異度が下がり、特異度を上げれば感度が下がるという「こっちを立てればあっちが立たず」というトレードオフの関係なんです。
ここで少し擬人化です。
感度100%のテストを左の女性、特異度100%のテストを右の男性とします。
感度100%の場合
次に感度100%のテストがどのような結果になるか見てみましょう。
感度が100%(めちゃくちゃ高い)の場合、トレードオフの関係で特異度が下がります。
「特異度」は正常な人を陰性に入れる能力でしたよね。
この「特異度」が下がるため正しく陰性に入れることが出来ず、本当は陰性なのに、陽性に誤って入ってしまいます。
この事を「偽陽性」といいます。
そして、感度が100%なら疾患(ここでは鬼)の見落としがありません。
20人中20人の疾患(鬼)を陽性に入れてるので、陰性には絶対疾患(鬼)はいません。
つまり、感度が高い検査で陰性であれば、疑われた病気を除外(ruleout)することができるのです。
このことをsnout(スナウト)と言います。sensitivity の検査で結果がnegative(陰性)であれば除外=outするわけですからね。
特異度100%の場合
では今度は特異度100%のテストです。
特異度が100%であれば、先程のトレードオフの関係で「感度」が低下します。
「感度」は疾患(鬼)を正しく陽性に入れる能力でしたよね。
その「感度」が低下するということは正しく陽性に入れられなかった、「本当は陽性なのに、陰性に振り分けられた」という事態が起きます。が出てきます。この事を「偽陰性」といいます。
そして特異度が100%であれば、正常な人は100%陰性に振り分けられてますので、陽性には1人も正常な人がいないはずです。
つまり、特異度が高い検査で、陽性と出た場合、確定診断(rule in)に使えるわけです。
このことをSpPinと言います。Specificityがpositiveの時、in出来るから略してSpPinです。スピピンと読むそうです。
なので使い方としては「感度の高い検査で病気を見つけ、特異度の高い検査をつかって診断を確定!」というように使います。
長くなったので今回はこのあたりで失礼します!
次回は尤度比などについて解説しようとおもいます。
何か間違っていたら是非ご指摘ください。
最後までありがとうございました!