筋繊維の分類って学生の頃覚えましたよね

 

僕も覚えたハズなんですが、「赤筋ってtype1?typeⅡだっけ?」「高齢になったら落ちやすいのはどっちだったかな…」って思う事あります。

 

理学療法士あるあるですよね。

 

文献なんか読んでても「知ってて当然でしょ」くらいの勢いでチョイチョイ出てきます。

 

そこで今回は覚えにくい事を擬人化して覚えやすくしてみよう!!という企画のもと、作ってみました!

 

せっかく作ったので興味のある無しに関わらず見てやってください…!

 

では、参ります。

 

 

目次

筋繊維の分類と擬人化

筋繊維の分類はどこに着目するかで分類や名称が異なります。

 

今回は1番良く見かけるミオシンのタイプ分類をもとに擬人化してみます。

 

擬人化された彼らの名前はそれぞれ

typeⅠはイチちゃん。(Ⅰ:イチ)

typeⅡaはアーツくん。(a:アー Ⅱ:ツ)

typeⅡbはニブくん。(Ⅱ:二  b:ブ)

としてみます。

 

 

イチちゃんとアーツくんはミオグロビンという色素タンパク質を含むため、赤、もしくは桃色に見えます。

 

桃色筋肉のアーツくん(typeⅡa)素早い筋収縮と持久性に優れる、いいとこ取りの筋肉です。

 

強くて速い筋収縮を繰り返し練習するアスリートに多いとされています。

 

では、詳しく見ていきましょう。

 

 

各筋繊維の特徴とエネルギー源

まず、筋肉のエネルギー供給について

飛ばしてもらっても良いです。

 

非常にざっくりですが説明します!

 

筋肉は収縮するにも、弛緩するにもエネルギーを使います。

 

筋肉のエネルギー源は…有名なATP(アデノシン三リン酸)ですよね。

 

ATPは3つの経路から供給されます。

 

①ホスホクレアチンリン酸系(ATP-クレアチンリン酸系)

クレアチンリン酸とADPからATPを生成します。

 

無酸素運動時に素早く大量にATPを合成できます。

 

重量挙げや100m走など、爆発的に筋収縮する時に利用します。

 

筋肉内に蓄えられているクレアチンリン酸を分解してATPを生成するんですが、クレアチンリン酸系は、よくトレーニングしている人でもあんまり蓄えらません。

 

結果、すぐにガス欠を起こします。

 

最大限の爆速で筋収縮させた場合、わずか10秒から15秒でクレアチンリン酸が枯渇するようです…。

 

 

②解糖系(乳酸系)

グリコーゲンまたはグルコースからピルビン酸を経て乳酸が生成される過程でATPを生成します。

 

ホスホクレアチンリン酸系と比べるとATPの産生速度が緩やかです。

 

100m走など一気にATPを消費する競技には向かず、400m走や100m競泳など、最大の爆速ではないものの強度が強く、ある程度の運動時間が求められる場合に利用されます。

 

よく「乳酸が溜まる」と言いますが、この解糖系を使ってエネルギーを得てるんですね。

 

「ホスホクレアチンリン酸系」と「解糖系」は引っくるめて「無酸素系」と呼ばれます。

 

 

③有酸素系

ピルビン酸や脂肪酸などをミトコンドリアの中で酸化し、ATPを生成します。

 

ATPの生成速度は1番のんびりですが、非常に効率的かつ大量にATPを生成することができます。

 

生成速度が遅いのでマラソンなど長時間運動する場合に利用されます。

以上、3つに分けられます。

 

 

TypeⅠ繊維

筋繊維は細く、赤筋とか遅筋と呼ばれていたグループです。

 

ウォーキングやマラソンなど有酸素運動で使われる筋繊維です。

 

このグループは

①収縮速度が遅い!

②上記の3つ目、有酸素系のエネルギーを利用出来る!

という特徴からslow-twitch(遅い収縮)oxidative fiber(酸化的な繊維):SO繊維とも呼ばれます。

 

ちなみに高齢になっても比較的筋力が落ちにくいのはこちらです。

 

イチちゃん:typeⅠは有酸素系のエネルギーを利用します。

 

typeⅡb繊維:ニブ

筋繊維が一番太く、速筋とか白筋とも呼ばれるグループです。

 

加齢とともに筋力低下しやすいのはこの速筋と呼ばれるグループですね。

 

収縮速度が爆発的に速くて強く、無酸素系のエネルギーを利用するため、FG繊維(first-twitch:速い収縮 glycolytic fiber:解糖系の繊維)とも呼ばれます。

 

筋繊維の径は太く、収縮は速い。収縮力は強く、そして最も疲労しやすい繊維です。

 

typeⅡb:ニブはホスホクレアチンリン酸系、解糖系で合成されたエネルギーを利用します。

 

 

TypeⅡα繊維:アーツくん

耐久性にも優れた、いいとこ取りのこの繊維はホスホクレアチンリン酸系、解糖系、有酸素系の全てのエネルギーを利用することが出来ます。

 

繊維の太さはtypeⅠ繊維とtypeⅡb 繊維の中間です。

 

耐久性、収縮力にも優れた(収縮力・瞬発力はtypeⅡb には劣る)スーパー筋肉

 

イチちゃんとアーツくんが赤かったり、桃色だったりするのは色素タンパク質であるミオグロビンの含有量によるわけですが(含有量が1番多いのがイッチちゃん、次にアーツくん)、このミオグロビンと毛細血管の発達により、イチちゃんとアーツくんは酸素を多量に摂取できます。

 

ミトコンドリア数も多いため、脂肪酸やピルビン酸を有酸素系にて分解し、エネルギーを利用することが出来ます。

 

 

 

 

 

運動単位

運動単位:個々のα運動ニューロンとその支配下の筋繊維群をまとめて運動単位といいます。

 

そして、どれだけ多くの筋繊維を支配しているかを神経支配比といいます。

 

神経支配比の大小:

1つの運動ニューロンが支配している筋繊維が少ない→神経支配比が小さい

1つの運動ニューロンが支配している筋繊維数が多い→神経支配比が大きい

 

ここでは運動単位を1つの運動ニューロンを司令官とした、チームのようなものとして描いてます。

 

運動単位の種類:運動単位は①S型、 ②FR型、③FF型3つに分類されます。

 

詳しく見ていきましょう。

 

①S型:(slow-twitch fatigue-resistant=収縮が遅く、疲れにくい)

司令官はS型α運動ニューロン、支配下にはtypeⅠ繊維(イチちゃん)

 

 

②FR型:(fast-twitch fatigue-resistant=収縮が速く、疲れにくい)

司令官はFR型α運動ニューロン、支配下にはtypeⅡα繊維(アーツくん)

 

③FF型(fast-twitch fatiguable)=収縮が速く、疲れやすい

司令官はFF型α運動ニューロン、支配下にはtypeⅡb 繊維(ニブくん)

 

サイズの原理

運動の強度が上がるにつれ、小さな運動単位から大きな運動単位へ移行し、逆の順で停止することを言います。絵で説明するとこんな感じですね。

 

動作に必要な力が小さい場合、まずS型運動単位が動員され、支配下のtypeⅠ繊維が筋力を発揮します。

 

動作に必要とされる力が増すにつれ、小さな運動単位であるS型運動単位に加え、徐々に大きい運動単位も動員されます。

 

ここではS型運動単位に支配されるtypeⅠとそれより大きなFR型運動単位に支配されるtypeⅡαまで動員されたイメージ図です。

 

 

 

分布

typeⅠ繊維とtypeⅡα、typeⅡb繊維は図のように1つの骨格筋の中にモザイク状に配列されています。

しかし、筋は求められる機能により、筋繊維の比率が違います。

 

typeⅠ繊維の比率が高い筋

あまり疲労してもらっては困る筋(姿勢筋など)

主要姿勢筋(脊柱起立筋、ハムストリングス、ヒラメ筋)、咀嚼筋、肋間筋、三角筋、腸腰筋、股関節内転筋群など。

 

typeⅡ繊維の比率が高い筋

体の大きな動きを生み出す筋がこれにあたると言われています。

眼輪筋、前鋸筋、上腕三頭筋、内側広筋表層部、腓腹筋、足底筋、長指伸筋など。

以上になります。

何か間違ってたら教えてください!

長い文章を最後まで見ていただき、ありがとうございました!