こんにちわ管理者のナナオです。

 

突然ですが、ストレッチに「動」と「静」がある事はご存知でしょうか。

今回はストレッチの種類について調べてみました。
では宜しくお願いします。

 

目次

静的ストレッチとは

 

 

スタティックストレッチともいいます。

 

「最終域で静止し数秒から数十秒ストレッチングする(鈴木重行『IDストレッチング』1999年)」

 

反動などを用いたり、動いたりせず、じー…っと持続的に伸ばすストレッチのことです。

 

こんなのですね。

静的ストレッチが体に及ぼす影響

 

ポジティブな効果、ネガティブな効果両方がある事に注意が必要です。

 

ポジティブ面

 

◯筋緊張の低下

筋に持続的な伸張が「ゴルジ腱器官を興奮させることにより、目的とする筋の緊張を低下させることが可能になる。(鈴木重行『IDストレッチング』1999年)」

 

 

◯筋の柔軟性が向上し関節の可動範囲が広がる

15秒から30秒程度の静的ストレッチにより筋の伸長性、関節の可動範囲が拡大するのは様々な研究により証明されています。

 

◯運動後の疲労回復?

一般的に静的なストレッチは疲労回復を促すと信じられています。

 

しかし、この効果に否定的な論文も多くみられています。

 

坂上・大倉(2000)らは対象者に人為的に筋疲労を起こさせ、そこから「安静臥位」、「静的ストレッチ」、「軽運動」を行わせ、疲労がどう変化するか報告しています。

 

その結果、効果があったのは「軽運動」のみで「安静臥位」群と「ストレッチ」群の両者には、ほとんど差がなかったと報告しています。

 

安静とストレッチに差がないという報告はいくつもでています。

 

遅発性筋肉痛(筋肉痛)にも効果がなしと断じる報告もあります。

 

疲労回復には様々な側面があるため、完全に効果がないとは言い切れないとは思いますが、

堂々と運動後の疲労回復に「効果がある!」とは言えないでしょう。

 

 

ネガティブ面

 

◯筋力の低下

大規模な調査により、60秒以上の静的ストレッチにより、筋力が低下することが報告されています。
また、30秒の静的ストレッチでも筋力が低下した報告があります。

 

筋力のパフォーマンスが求められるような作業する前には静的ストレッチは向かないでしょう。

 

効果的に静的ストレッチをするためには

 

◯筋温を上昇させておく

ジョギングなどで全身の血液循環を活発にしておく。
ウォーミングアップは「筋温の上昇による筋粘性の低下、柔軟性の増加、神経機能の亢進(形本『ウォーミングアップの生理学』1988)」が期待されます。

 

◯痛みのない範囲で行う

ストレッチされた筋に痛みが起こると反射的に筋収縮が起こります。
ストレッチの効果がないばかりでなく、筋肉や腱の損傷にもつながるため、「ストレッチは痛みのない範囲」で!

 

◯息を止めない
息を止めたり、いきんだりすると筋の緊張があがってしまいます。
また血圧も上昇しますので、良いことなしです。

 

 

動的ストレッチとは

 

動的ストレッチングには①バリスティックストレッチングと②ダイナミックストレッチングがあります。

①バリスティックストレッチングとは

 

反動や勢いをつけて可動範囲内かもしくは可動範囲を超えるくらい筋肉を伸張する方法です。

 

ポイントは反動、勢いをつけて行い、極力、筋肉を働かせないということです。

 

ラジオ体操やサッカーのブラジル体操などにバリスティックストレッチングの要素が含まれています。

 

筋肉を収縮させながら行うストレッチは後で説明するダイナミックストレッチングです。

 

こんなやつです。

バリスティックストレッチングが体に与える影響

 

◯関節の可動範囲の拡大

 

(早川2014:446)らは被験者に1回/秒のペースで3分間、足関節の背屈を行わせ(筋収縮が極力入らない方法が考案されている)、足関節の背屈可動域、筋伸張量、腱伸張量を計測しています。

その結果、「足関節背屈角度はBS(バリスティックストレッチング)に有意に増加した。筋伸張量、腱伸張量はBS前後で有意差はみられなかった。」と述べられています。

 

 

◯筋力の低下

 

(Nelson and Kokkonen2001)は被験者に膝関節伸展筋群、膝関節屈筋群、股関節内転筋群、足関節底屈筋群にバリスティックストレッチングを実施し、その後の筋力を検証しました。

結果、膝関節伸展筋力が5.6%低下、膝関節屈曲筋力が7.5パーセント低下したと報告しています。

メリット、デメリットまとめ

 

文献など調べた限りでは、関節の可動範囲の向上に効果があるようです。

 

しかし、反動や勢いをつけ、場合によっては可動範囲を超えてストレッチするため、筋肉や腱を損傷させる危険が指摘されています。

 

パフォーマンスに良い影響を与えるという報告もないため、運動前の実施にも勧められる理由がないのかもしれません。

 

ダイナミックストレッチングとは

 

伸ばしたい筋肉の拮抗筋を収縮させ、相反神経抑制によりストレッチする方法です。

 

こんなのですね。絵では下腿三頭筋を伸ばしています。

ダイナミックストレッチングが体に与える影響

 

◯瞬発力、パフォーマンスの向上

 

「筋機能(主にパワー、)、跳躍能力、走タイムおよび投擲(とうてき)などの各種瞬発的な能力の向上が確認されている。
さらに特筆すべきことはダイナミックストレッチングによるパフォーマンス改善効果が認められなかったという報告はあるものの、他のストレッチングの影響で確認されたようなパフォーマンスの低下を示した報告が皆無なことである。(山口・石井2011)」

 

 

◯筋力の向上
これについて、

「ダイナミックストレッチングが筋力に及ぼす影響については、5編中2編が筋力を向上させたことを示したのみで上記の瞬発的な能力に比べれば向上効果を報告した割合は低い(山口・石井2011)」

 

 

◯可動域の向上
ダイナミックストレッチングを実施後、10分かけて徐々に可動域が改善した報告があります。
そしてこの可動域の改善度は静的ストレッチングと同等だったとのことです。

メリット、デメリットまとめ

ダイナミックストレッチングには上記のメリットが多く、デメリットもそれほど見当たらないため、運動前に行うストレッチとして最適と思われます。

 

 

以上になります。
最後までありがとうございました❗️