みなさんこんにちわ。
深夜に勉強している方こんばんは。
管理人のななおです。
電気刺激療法でパルス幅と周波数の設定がよく出てくると思いますが、明確に状況によって使い分ける事が出来ていますか。
私は、全くできていませんでした。
電気刺激療法の機械に状況に応じたプログラムがあるので、それをポチポチすればよかったからです。
しかし…ときが来ました。
そう、学生です!
「パルス幅と周波数ってどうやって使い分けるんですか?」
私は彼の目を真っ直ぐ見る事が出来ませんでした…
というわけで調べてみたので興味がある方はご覧ください。
ただ、論文レベルではないので概要だけ大まかに掴みたい方向けです。
では、参ります。
目次
パルス幅とは
そもそもパルスとは短ーい時間流れる電流のことを言います。
パルス幅を簡単に言うと、”パルス(=短い電流)をどれだけの時間照射するか”です。
なので、パルス幅はパルス時間とも言い、単位もμsec(マイクロセカンド=100万分の1秒)とか
msec(ミリセカンド=1000分の1秒)を使います。
周波数とは
1秒間に何回パルスを送るかの数字です。
単位はHz(ヘルツ)を用いますが、機器によってはPPS(Pulse Per Second)と表記されている場合もあります。
10Hzなら1秒間に10回刺激。
100Hzなら1秒間に100回刺激します。
刺激強度
刺激する電流の強さです。
大体の場合、 A(アンペア)で表記されています。
なので30mA、200μsec、50Hzで刺激する場合、
30mAの強さの電流を、一回につき100万分の200秒、それを50回/秒、刺激するということです。
パルス幅と周波数使い分けは?
パルス幅を調整する意味
下の図は強さ-時間曲線と呼ばれます。
英語ではstrength-duration curveです。
これは神経繊維や筋を興奮させるのに必要なパルス幅と刺激強度の関係を表しています。
出典:https://en.ppt-online.org/285080(一部改変)
縦軸が刺激強度、横軸がパルス幅です。
英語なので用語の解説です。
○ Aβ sensory:感覚繊維
○Mortor:運動神経
○ Aδ sharp pain:痛覚繊維(鋭い痛み)
○C dull pain::痛覚繊維(鈍い痛み)
○Denerveted Muscle:脱神経筋
図を見ていただくとわかるようにパルス幅が10μsecくらいだといくら刺激強度を上げても運動神経の閾値に到達しません。
感覚繊維(Aβ sensory)の閾値には40〜50mAで到達するのでビリビリと電気の感覚だけ感じることになります。
パルス幅が大きくなると運動神経も興奮しやすくなりますが、痛覚繊維も興奮しやすくなるため痛みも感じやすくなります。
感覚繊維のみ刺激したい場合→パルス幅は50〜100μsec 文献1)
で、筋肉の収縮が起こらない範囲で刺激していきます。
筋を収縮させたい場合→200〜300μsec 文献1)
これはC繊維(C dull pain:鈍い痛み)を刺激しないためですが、運動神経(motor)とAδ繊維(Aδ sharp pain:鋭い痛み)の閾値は近いため結局刺激強度を上げると痛みを感じます。
脱神経筋(Denervated muscle)の収縮を起こすには、10msec以上のパルス幅が必要になります。文献1)
周波数を調整する意味
下の図は電気刺激と筋収縮を表しています。
1Hzだと、1秒1回の単収縮が起こります。
それが20Hz以上になると強縮が起こります。
筋力強化を目的とした電気刺激を行う場合、より完全な強縮を起こすため、50Hz〜100Hzの周波数を用います。
以上になります。
また後日に電気刺激療法の種類についてまとめてみたいと思っています。
最後までありがとうございました!
文献
(1)庄本康治:エビデンスから身につける物理療法:179-181,2017